第2回 税務調査当日の流れと調査官が確認するポイント

はじめに

前回は、税務調査の概要や調査対象となりやすい会社、日頃から準備しておきたいことについてご紹介しました。

今回は、税務調査当日の流れや、調査官がどのような点を確認するのか、事前に準備しておきたい書類、調査時の注意点などについて解説します。

税務調査は、事前に流れを理解し準備をしておくことで、落ち着いて対応することができます。


税務調査当日の流れ

一般的な税務調査当日は、次のような流れで進みます。

調査官が来社・挨拶

   ↓

会社概要や事業内容の確認

   ↓

帳簿・請求書・領収書などの確認

   ↓

代表者や経理担当者への質問

   ↓

昼休憩

   ↓

午後も資料確認・追加質問

   ↓

当日の講評・今後の流れの説明

※調査内容や会社の規模によって、流れが多少異なる場合があります。


税務調査は何日くらいかかる?

会社の規模や業種によって異なりますが、中小企業では1~2日程度で終了するケースが多く見られます。

ただし、取引件数が多い場合や確認事項が多い場合には、後日資料の提出を求められたり、追加で確認が行われたりすることがあります。


調査前に準備しておきたい主な書類

税務調査では、さまざまな帳簿や資料を確認されます。

代表的な書類は次のとおりです。

主な書類内容
決算書・法人税等申告書決算内容や申告内容の確認
総勘定元帳・仕訳帳日々の取引内容の確認
請求書・領収書売上・経費の根拠資料
預金通帳・現金出納帳入出金や現金管理の確認
契約書・見積書取引内容の確認
在庫棚卸表棚卸資産の確認
給与台帳・源泉徴収簿人件費や源泉徴収の確認

※上記は代表的な書類であり、業種や事業内容によっては、その他の資料の提出を求められることもあります。


調査官がよく確認するポイント

税務調査では、すべての取引を確認するわけではありません。特に次のような項目を重点的に確認されることが多くあります。

確認項目主な確認内容
売上計上漏れや計上時期に誤りがないか
経費私的な支出や事業に関係のない経費が含まれていないか
現金管理現金残高や現金売上の管理状況
在庫棚卸数量や期末在庫が適正か
人件費給与・外注費・源泉所得税などの処理が適正か

調査官は、帳簿だけでなく請求書や領収書などの証憑書類と照らし合わせながら、申告内容に誤りがないかを確認します。


パソコンのデータは見られる?

近年では、会計ソフトや電子データで帳簿を管理している会社も多くなっています。

そのため、税務調査では、必要に応じて会計ソフトの内容や電子保存された請求書・領収書などを確認されることがあります。

ただし、業務に関係のない個人的なデータまで自由に閲覧されるわけではありません。

必要な範囲で資料の提示を求められるのが一般的です。


自宅も調査対象になる?

法人の税務調査では、通常は会社で調査が行われます。

一方で、

  • 自宅兼事務所で事業を行っている
  • 自宅に帳簿や在庫を保管している

といった場合には、自宅で資料を確認することがあります。

通常の法人で、会社とは別に自宅がある場合は、自宅まで調査が及ぶケースは多くありません。


税務調査で気を付けたいこと

税務調査では、必要以上に緊張する必要はありません。

次のような点を心掛けると、落ち着いて対応することができます。

  • 分からないことは曖昧に答えず、確認してから回答する
  • 推測ではなく事実に基づいて説明する
  • 帳簿や資料を書き換えたり隠したりしない
  • 不明な点は税理士へ相談する

誠実な対応を心掛けることが大切です。


税理士が立ち会うメリット

税務調査では、税理士が立ち会うこともできます。

税理士が同席することで、

  • 調査官とのやり取りをサポートしてもらえる
  • 税務上の専門的な説明を任せられる
  • 指摘事項について適切な対応を相談できる
  • 精神的な負担を軽減できる

などのメリットがあります。

初めて税務調査を受ける場合には、税理士に立ち会ってもらうことで安心して調査に臨むことができます。


まとめ

税務調査では、事前に必要書類を整理し、当日の流れを理解しておくことが大切です。

また、調査官は売上や経費だけでなく、現金管理や在庫、人件費などについても確認を行います。

日頃から帳簿や証憑書類を適切に整理・保存し、分からないことは早めに税理士へ相談しておくことで、税務調査にも落ち着いて対応することができます。

次回は、税務調査でよくある指摘事項や調査結果、加算税・延滞税、日頃からできる対策について解説します。

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